私が赴任している大連市は、中国東北地域、遼東半島の南端に位置しています。三方を海で囲まれた、歴史的に日本と関係が深く、気候が穏やかで風光明媚(めいび)なところです。新潟と同じく海産物が名産品でとてもおいしく、内陸部からのお客さまに海鮮料理でおもてなしすると、とても喜ばれます。

 そんな大連へ私が赴任したのは3回目。最初に赴任したのは1994年~96年だったので、当時に比べると全く別世界です。近代化が進み、電車や地下鉄のアナウンスも以前は中国語と英語だけでしたが、今は日本語や韓国語でもアナウンスが流れ、観光に力を入れていることがうかがえます。親日派の人も多いため、日本人にとってはとても生活しやすいところです。

 私の休日の過ごし方は、趣味の写真と散歩です。古い街並みと新しい街並みが融合している大連市内や、春になるときれいに咲いた桜や新緑の風景を写真に収めるため、カメラを持って散歩に出掛け、街角の風景などいろいろな写真を撮って楽しんでいます。

歴史を感じる古い建物と近代的なビルが建ち並ぶ中山広場。大連市街の中心地にある

 そんな楽しい日々が新型コロナウイルスで一変、中国をはじめ米国や欧州など世界各国が大混乱となり、日本でも緊急事態宣言が出される事態となりました。

 自主隔離や外食禁止、通航制限など我慢の日々が続いています。そんな中で日本と中国の間でマスクや医療機器などの物資を送り、助け合うニュースを目にすると、それを機に日中関係がさらに良くなったように感じられるのがせめてもの救いです。

 「降りやまない雨はない」という言葉がありますが、喉元過ぎれば熱さを忘れることなく、全世界が協力し合ってこの危機を乗り越えることで、新型ウイルスが終息し、にぎやかな繁華街、活気ある大連が戻ることを願っています。まだまだ大変な日々が続くと思いますが、みなさんも健康に留意され、一緒に闘っていきましょう。


皆川 建二さん(見附市出身)
 (皆川さんは1960年、見附市生まれ。シンワ測定の社員として大連で働いています)