弁護士である夫のロースクール留学に伴い、昨年8月にマンハッタンにあるコロンビア大学の学生寮で暮らし始め、半年がたちました。ニューヨーク(NY)では一般的なのですが、お風呂にバスタブがなく毎日シャワーだけなので、新潟の温泉がとても恋しいです。
マンハッタンは物価の高い地域ではありますが、移民に親切な人が多く、日本食スーパーも充実しているので、とても暮らしやすいです。地下鉄は一回当たり2・75ドル(約300円)と高く、節約のためシティバイク(シェアサイクル)で買い物に行く毎日です。
市立図書館では無料の英会話教室が毎日開かれており、市民権を取るためのクラスまであり、米国が“移民の国”であることを改めて実感しています。この教室で知り合ったイスラエル人と韓国人の友人と、それぞれ自国の料理を持ち寄り、女子会をすることも楽しみの一つとなっています。
アートの街NYは、メトロポリタン美術館をはじめ、市民が無料で美術品を鑑賞できるギャラリーも多く、先日も草間彌生さんの個展を鑑賞してきました。草間さんは外国人にも人気で、メキシコ人の友人は2時間並んで見たと言っていました。また週末の夕方から美術館の入場料が安くなる制度や、ミュージカルの当日割引チケットなど、多くの人が芸術に親しむためのサービスが充実していると思います。
治安は悪くないと思っていましたが、昨年12月に家の20メートル先で強盗事件があり、13歳の少年たちの遊ぶお金欲しさの犯行により、女子大生が亡くなってしまいました。優しい人が多い街ですが、格差や社会の分断があるのも紛れもない事実で、切ないところです。
9月からは、夫がシカゴの法律事務所で1年間研修することになるので、NY生活もあと少しですが、これからも夫婦仲よく米国での生活を楽しみたいと思います。

こんなところにも人種の多さが如実に表れている
人見 翔子さん(新潟市中央区出身)
(人見さんは1990年生まれ。コロンビア大学に通って英語を学びながら、日系企業でインターンをしています)