今年4月からのニューヨーク(NY)駐在生活は部屋探しから始まった。
譲れないポイントは、南向きで、部屋の中に洗濯機と乾燥機が備え付けられていること。マンハッタンには、築100年以上の建物が多い。水回りの配管が整備されておらず、居室内に洗濯機や乾燥機を設置できない仕様になっている。そのため、ビル内にある共同ランドリーを利用することが普通なのだ。
なんとか見つけた部屋の家賃は、1LDKにもかかわらず、日本で住んでいた葛飾区の新築2LDKの3倍に跳ね上がった。
家賃以外の物価は東京の2倍と考えていい。スモークサーモンのベーグルが一つ2千円、大戸屋はチップ無しでも2人で6千円する。食費を抑えるため、少し寂れたヒスパニック系スーパーや露店をはしごすることを覚えた。オフィスのあるロックフェラーセンター周辺はランチには高級な店が多く、自宅から弁当を持参するようにしている。
それでもここはエンタメの街。休日は舞台鑑賞やスポーツ観戦に出掛ける。
ブロードウェーのチケットは、公演直前にネットにアップされる半額チケットを申し込む。抽選で高倍率だが、「アナと雪の女王」は運よく当てることができた。しかし、米倉涼子さん主演の「シカゴ」は見逃すわけにはいかず、迷わず正規の値段のチケットを買った。こんな支出は仕方がない。
うれしいことに、NYにはプロスポーツチームがいくつもある。この夏に日本から遊びに来た少年野球のリトルリーグからの友人とはメッツ、新潟高校野球部からの友人とはヤンキースの球場に出掛け、本場のベースボールを堪能した。
これからはアメリカ人の大好物、バスケットボール、アメリカンフットボールとアイスホッケーのシーズンだ。ルールを覚えて、その魅力をぜひ知りたい。

どんなことも面白がる前向きな妻は心強い相棒だ。ここでしかできないことを思い切り楽しもうと2人で話している。
「マンハッタンヘンジ」と呼ばれる、1年に2回だけ見ることのできる幻想的な現象。
摩天楼のビルとビルの間の路上にすっぽりと夕日が沈む
宗村 泰孝さん(新潟市中央区出身)
(宗村さんは1990年生まれ。石油化学・エネルギーの企業に勤務して7年目です)