ニューヨーク(NY)市の東部、世界一民族の多様性に富むとされるクイーンズ区に住み、はや1年がたちました。家事育児中心の生活を送る中、長女の成長の早さに驚かされ、また頼もしくも感じます。
昨年9月に地元の公立幼稚園に通い始めました。最初は英語をほとんど話せず、「怖い」「行きたくない」と泣きじゃくる日もありました。ただ、同じクラスにいた日本人の子にも助けてもらいながら、ハロウィーンのイベントが盛り上がる10月には、近所のお店などを「トリック・オア・トリート!」と言って回り、すっかりとけ込んでいました。子どもの順応力の高さに、ただただ感心しています。英語が母国語でない人向けの補習を無料で受けられるなど、充実した公的サービスも支えとなりました。
長女は今年から小学1年生。毎朝7時過ぎに黄色いスクールバスに乗り込み、午後2時半ごろ帰ってきます。今のクラスは20人ほどで日本人はいませんが、「ヘレナと近くの席になったよ」とか「お昼はローゲンと食べてるの」と友達と楽しく過ごしているようです。そうした日常を積み重ね、特にけがや病気のないことをありがたく感じます。

近所には同じ学校に通う日本人が10人以上住んでいて、放課後は一緒に鬼ごっこをしたり、おしゃべりしたりと日本人同士のつながりも強いです。
英語力もさることながら、身に付いた国際感覚は、帰国後きっと役立つと思います。1年を通してクリスマスやイースター、運動会に卒園式とさまざまな行事がありました。他国の文化が一堂に会したおまつりもあり、国際色豊かな環境で遊び、学べることはわが子ながらうらやましくもあります。
秋になったNYはこれから厳しい冬を迎えますが、子どもたちには雪遊びやスケートの楽しい季節でもあります。「かわいい子には旅をさせよ」の精神で、伸び伸びと健やかに育つよう願うばかりです。「人生はそれ自体が旅、壮大なアドベンチャーだ!」と思いつつ。
南 龍太さん(新潟市出身)
(南さんは1983年生まれ。現在、妻子と3人暮らし。家事育児の傍ら執筆業をしています)