1995年9月、叔父を訪ね初めてニューヨーク(NY)に。「あ、この街に住みたい」と感じ9カ月後にNYに移住した。
もともとファッションや写真に興味があったので、NYの大学で勉強後98年から、後に仕事のパートナーとなる写真家ジェームス・マリーの元で広告写真の修業を重ねる。現在はマンハッタンのミッドタウンにジェームスと「スタンダードスタジオNYC」を開業。仕事は順調だが、ここに来るまでにはさまざまな試練を乗り越えてきた。
99年、それまで主流だったフィルムからいち早くデジタルに変更した。当初、最新機材は多額の出費となったが、有名高級百貨店サックスフィフスアヴェニューの広告写真全般を任されるなど仕事は順調に。
しかし2001年9月11日の同時多発テロ後に仕事は激減し、一時は従業員10人を解雇。またスタジオも小規模にするなど苦しい時期を過ごした。
それでも諦めず、人間関係を大事に、来る仕事を全てこなし、休みなく働いた結果、活気を取り戻し、08年のリーマンショックで米国の景気が落ち込む中も仕事は減らず、世界中を撮影で飛び回った。
15年以降、世界がファストファッション中心になり仕事の依頼内容も徐々に変化。雑誌や広告に加え会員制交流サイト(SNS)用の仕事が増え、写真の枚数が多く要求されるようになり、1枚の写真に費やす時間が短くなった。しかしクオリティは絶対に下げないという信念の下、業界の変化に対応した結果、16年には大きなスタジオへと移転、事業規模拡大を実現した。
20年以上NYの写真業界で働いてきて私が常に大切にしているのは、フレキシブルでいること、世界の流れについていくこと、人間関係を大事にしてどんな仕事でも自分のベストを出すこと、である。

ラコバラ ゆうこさん(燕市出身)
(ラコバラ=旧姓・原=ゆうこさんは1971年生まれ。新潟第一高校を卒業しました)