私はシンガーです。幼い頃から歌うことが大好きで、気がつけばこの道を志していました。
米国に行きたいと思い始めたのは中学生のときで、はっきりとした理由は覚えていませんが、ALTや英語の先生からの影響を受けたように思います。
日本でのライブ活動を経て、もっと大きな舞台へと挑戦したい気持ちが強くなり、2017年にニューヨーク(NY)へ渡りました。
右も左も分からない土地に赴いた私は結果を残したいと必死で、渡米した次の日にはオーディションを受け始めました。その甲斐(かい)もあり、プロへの登竜門といわれている「アポロシアター・アマチュアナイト」への出場や、日本武道館よりも大きなホールで歌うという経験ができました。

米国東部最大級のゴスペルフェスト「マクドナルド・ゴスペルフェスト」で
人生の大事件だった渡米が日常へと変わる中、「日本人はどうしてそんなに飴(あめ)が好きなの?」と聞かれたことがありました。私は日本人が特別飴が好きだとは思っていなかったので返答に困ってしまいました。また「日本に行ってみたい気持ちはあるけれど、原爆の影響はないの?」と聞かれたこともあります。これらの出来事から、海外から見た日本のイメージは私たちの想像とは違っているのだと、初めて気がつくことができました。
NYでは自分の意見をはっきり言わなければ伝わりません。言葉の壁を感じる中、気持ちを伝えることができずに悩んだこともありましたが、きちんと話してみるとトラブルが解決したり、よりよい人間関係が築けたりと状況の改善につなげることができ、自分のためにも相手のためにも、伝えることは大切なことだと実感させられました。
人種のサラダボウルと呼ばれるNYで暮らすことは日本での生活とは全く異なります。日本人の中の当たり前が通用しない日常に驚かされることも多々ありますが、そこがまた面白くNYらしいと感じています。
今後どの土地で暮らしていくのかは分かりませんが、どこへ行っても日本人であることに誇りを持ち、日本や新潟の良さを、音楽を通じて伝えていきたいです。
矢沢 明日実さん(長岡市出身)
(矢沢さんは、米国内のコンテスト「スターイズボーン」で準優勝するなど、実績を重ねています)