「ラーメン王国」とも呼ばれる新潟県ですが、ラーメンは今や世界の主要都市で地元民に定着し始めています。2010年ごろを境に一気に広がり、一時的なブームで終わるのかと思いきや、その広がりはとどまるところを知らず拡大の一途を歩んでいる印象を受けます。ロンドンでも12年のロンドン五輪を境に一気にラーメン店が増加しました。ロンドンのラーメンは、米国同様にトンコツが断トツで人気です。

 地元の人たちや観光客で平日でも常ににぎわっていて、特に福岡からのIPPUDOさん、KANADA-YAさん、SHORYUさん、地元のTONKOTSUやBone Daddyは人気があります。

ロンドンの中心地にあるラーメン店「YAMAGOYA」。いつもにぎわっている

 ロンドンでも当たり前のように食べられるようになったラーメンですが、食事の仕方は日本のラーメン店とは異なります。日本では、ラーメン単品のみを気軽に食べるということもありますが、こちらでは、他のレストラン同様に、まずはエントリーディッシュを頼み、ちょこちょこつまみながらメインとなるラーメンを頼む。そしておなかに余裕があればデザートをいただく、とある意味フルオーダーの食事がスタイルになっています。

 ちなみにエントリーディッシュには、日本でも定番の焼きギョーザ、ラーメンの麺を利用したサラダ、お店によっては焼き鳥やロンドンっ子にも人気の唐揚げなどレパートリーに富んでいます。もちろんラーメンだけでも可能ですが、地元の方々はほぼエントリーから楽しんでいます。

 日本のラーメンから世界のラーメンに変貌しつつある今、地元の日本食・アジア料理のお店の一部では、日本では考えられないようなラーメンもあったりします。味覚の違いや食文化の違いから日本人の口には合わないものも正直多いのですが、いつか、完全に現地化された、日本人をうならせるラーメンが出てきても不思議ではありません。

 ラーメンが大好きな妻は、もし今後海外の旅先にラーメン店があれば、「世界の車窓から」にならって「世界のラーメン店から」なるブログを立ち上げようかと盛り上がっています。

 日本にも本格的なラーメン店の逆輸入の日が近いかもしれません。今後ますますラーメンから目を離せないと、妻と心を躍らせています。


盛 大(もり・まさる)さん(英国新潟県人会会員)
 (盛さんは1980年、埼玉県川口市生まれ。妻は妙高市出身。日本のジュエリー会社の海外展開に従事しています)