ニューヨーク(NY)は世界の中でもたくさんの人種が集まるといわれています。

 ヘアカラーリストとしてNY5番街で働き始めて約20年、大学時代から、気づけばNY生活が人生の半分を超えてしまいました。

 カラーリストとして仕事をしていく上で大切なのは、ありとあらゆる人種の方々の地毛の色や髪質に対応していくことです。

 働き始めて一番の驚きはブロンド女性の9割以上がカラーをしていることでした。幼少期にブロンドで生まれていても、年齢を重ねるごとに実は地毛の色がだんだん暗くなっていきます。そのためカラーをし始める年齢も早く、ティーンになる前からハイライトを入れ始める人もいます。生まれたてのプラチナブロンドへの憧れは強いようです。お客さまの大半がハイライトを入れるという衝撃は今でも忘れられません。

 数年前にNYで活躍している同年代の日本人スタイリスト、カラーリスト、フォトグラファーで「海外に出ていきたい若者たちの懸け橋になるようなことを何かやりたい」と「フェース・ニューヨーク」というプロジェクトを始めました。

 プロジェクトの一つは100人のニューヨーカーを友達の友達の友達…という感じで集めて、カットやカラーをして「あなたにとってNYって何ですか?」という質問の答えを全員白いTシャツに書いてもらい写真を撮りました。

 その写真の展示会をマンハッタンで一番大きいルーフトップバーを借り切ってやったのです。人種のるつぼNYだからこそ、いろいろな国のバックグラウンドを持った100人を集められたのだと思います。イベントに参加してくれた友人、同僚諸先輩方に感謝しています。
 

マンハッタンのルーフトップバーで開いた写真展

 ほかにも日本での講習活動中にNYメンバーが飛び入り参加することもあります。今後もフォイルヤージュ(自身で開発したヘアカラー技術、特許申請済み)を通してたくさんの方々にお会いできることを楽しみにしています。


池田 瞳さん(新潟市出身)
 (池田さんは1979年生まれです)