私は30歳になる夏にニューヨーク(NY)州立大学ストーニー・ブルック校の大学院に留学しました。日本では約8年間高校教員をしていましたが、大学時代から望んでいた米国での教育を受けられる最後のチャンスと思い、また、新潟と海外との懸け橋になりたいとの夢を持ち、決断しました。留学生活は決して楽しいことだけではありませんでしたが、多くのことを体験、習得でき、とても有意義な2年間でした。

 留学中の夏休みに実施したインターンシップがきっかけで、米国で学んだ技術知識と日本での仕事の経験を生かしてNY市内にある日系大手通信会社の米国IT会社にプロジェクト・マネジャーとして勤務させていただくことになりました。

 その後NY市で約11年間にわたるIT会社数社での勤務を経て、妻の実家であるオハイオ州シンシナティー郊外に家族で引っ越しました。今年でシンシナティーでの生活も12年目となり、NY市とは違った生活を楽しんでいます。

 4年前に、これまで培ってきた米国での人脈や経験を踏まえ、妻と始めた会社「シンター・ユニゾン・ネットワークス」での仕事に注力するようになりました。

 私はIT・通信分野、妻はESL(第二言語としての英語)教育分野でお互い長く仕事をしてきた経験を生かし、米国で頑張る外国人、アジア人、日本人、そして新潟県人と一緒に活躍できるグローバル・プロフェッショナルの組織を作りたいと考え、日々頑張っています。

 現在はIT・通信分野に限らず、人事、経理など海外企業が米国でのビジネスで苦労されているバックオフィス分野全般でサポートできるようサービスをそろえる努力をしています。

 また、外国から渡米した方々へのESL教育に限らず、米国在住の方々向けの語学、文化学習はじめ専門分野での教育支援などを目指した「シンター・アカデミー」を昨年設立しました。

 まだまだ目指しているものから遠いのですが、これらの活動を通して、新潟と海外(米国)との懸け橋になれるよう引き続き頑張るつもりです。多くの新潟の方々と一緒に、後世に貢献できることを成し遂げられることができればうれしいです。

シンシナティー市と、オハイオ川対岸のケンタッキー州コービントン市を結ぶ橋。
この地域と新潟を結ぶ懸け橋になりたい、という夢を時々重ねる場所です


山口 広明さん(上越市安塚区出身)
 (山口さんは1966年生まれ。県内では新津工業高校などの教壇に立ちました)