大連では、海で囲まれているという特徴を生かした造船業と、それを支える部品製造会社や日本との合弁の造船会社が多く存在し、工業の重要な柱の一つとなっています。また、大連港は気候にも恵まれており、不凍港として、現在も中国全体の水陸運輸の中枢と国際貿易および国内の物資輸送の重要な役割を果たす港湾の一つです。

 1978年以降、中国では市場経済への移行に向け、改革開放政策が推進されます。その一環として、84年大連に中国初の経済技術開発区が設立されました。これは外資導入を目的としたもので、電機メーカーや自動車サプライヤーなど、日系を中心に多くの企業の誘致に成功。現在は多種多様な製造業の集積エリアとなり、最近ではロボット開発の加速や自動車のEV化を受け、工作機械事業やリチウムイオン電池事業が活発で、今後当地の経済成長をけん引する2大事業として注目されています。

 大連は日系企業と外資企業が多いことでよく知られており、2017年10月統計ベースでは日系企業だけでも約1550社存在し、在留邦人数が約4800人に達しました。

 最近では新たな外資企業を勧誘するための優遇政策を打ち出し、18年には200社以上の外資系企業が大連進出を果たし、金融、IT、環境保護などの領域の発展を促しました。

 海に囲まれた大連は、アワビやエビといった新鮮な魚介類を堪能できることでも有名です。すしなどの生食も普及していますが、寒冷地に位置するため、蒸したり、しゃぶしゃぶにしたりと、温かい料理方法で食すのが主流です。

 最近のイチオシはウニギョーザで、専門店があるほど大人気です。ウニの香りとうまみが口いっぱいに広がる逸品です。大連に来る機会があればぜひ試してみてください。

海に囲まれた大連の風景


石塚 萌佳さん(新潟市出身)
 (石塚さんは大連にある金融機関で働いています)