中国では「ご飯食べた?」があいさつ言葉。日本で「お疲れさまです!」とどんな時にも言う感じでしょうか。中国人の友人にそのことを話すと「日本人は勤勉だからいつも疲れてるんだね」と言われてしまいます。
中国の国土は日本の26倍。東西南北で食文化が全く違います。
中国一長い長江がある東部は淡水魚や上海ガニをふっくら柔らかく煮込んだ上海料理。内陸の盆地で多湿な西部は汗を出すための辛い四川料理。亜熱帯に属し、種類の豊富な野菜ができる南部では素材の味を生かした薄い味付けの広東料理。元朝の時代から都として栄えてきた北部は手が込んでいて繊細な宮廷料理の北京料理。
中でも「食在広州(食は広州にあり)」という言葉にもあるとおり、広東省は沿海で温暖という恵まれた地理気候のもと、食材が豊富にそろいます。ここでは「4本足のものは机と椅子以外、飛ぶものは飛行機以外、なんでも食べる!」という言葉があるほどです。なんて食いしん坊なのでしょう!
確かに私も広東省の食文化には驚きました。円卓上にポットがあったため、お茶だと思って飲んだものはまさかのお湯でした。友人が慌てて何かを説明しています。なんだろうと思って、もう一口。再び友人から「それは食器を洗うためのお湯だよ」と一言。なんと私はそのお湯をごくごく飲んでしまいました。
気を取り直してビールで乾杯! 蒸し暑い気候で汗ばむ体に潤いを与えてくれる冷たいビールをようやく飲めるのかと期待をしたその矢先、出てきたのはなんと常温のビール。広東省では、胃を冷やすとよくないとのことで基本的には常温のビールが出てきます。
さまざまな経験を通して、今ではすっかり中国通になりました。得意の語学と中国でのアナウンサー経験で培った伝える力を生かし、私ならではの視点で、現在中国を含め各地で新潟の食文化と観光のPR活動をさせていただいております。

佐藤 満里鈴(まりりん)さん(新潟市出身)
(佐藤さんは北京の大学院に在籍し、「酒女人」「コメガール」として各地で講演するなど、故郷新潟の魅力をPRしています)