30歳になる前に1年でいいから海外に住みたい。そう思ってニューヨーク(NY)に移り住み、気がつけばもう3年もたってしまいました。
人種のサラダボウルと呼ばれるNYはまさしくその俗称の通り。サラダの具材はさまざまな人種と毎日世界中から訪れる観光客、そして人々のリアルな生活感。
この3年間でいろいろなバックグラウンドを持つ人々に出会いました。NYには超が付くお金持ちから、今日食べるものに困っている人、経済・政治的、宗教的等さまざまな理由から母国を離れ、よりよい生活を求めて移住してきた人など、多種多様な人に出会うことができます。
中でも私が心を打たれたのは、世界一治安が悪いとされるベネズエラのカラカスから逃げてきた男の子。必死になって寝る間も惜しんで働いて、生活が厳しい中でも祖国に残った母親に送金を続け、いつか永住権を取って母親と一緒に米国で新しい生活を送りたいと頑張っていました。彼とはそのうち連絡がつかなくなり、今やどうなってしまったのかは分かりません。うまくいったことを祈るのみです。
平和で安全な日本で生まれ、ゆとり教育のど真ん中で成長してきた私にとって、そんな人たちとの出会いはカルチャーショックそのものでした。
この街では誰もあなたがどんな人だか決めつけないし、年齢も関係ありません。人生にチャンスをくれて、何者にでもなれる街です。そして人はこの地を訪れては去って行きます。とてもサイクルが早く、悲しんでいる暇はありません。ここで出会った人たちとまた会えるかどうかは分かりませんが、今は会員制交流サイト(SNS)があるおかげで少なからず、つながりをキープすることができます。

米国内でも特に異文化圏出身の人が多く、日本人にとっての「当たり前」がまず通じない街NY。そんな環境での生活は人と人との関わりの大切さを再確認させてくれて、心と人生を豊かにしてくれる出会いがたくさんです。
鈴木 理絵さん(新発田市出身)
(鈴木さんは1989年生まれ。会計事務所勤務の傍らジュエリー関連の仕事をしています)