
和名は「撞球(どうきゅう)」。どの球技を指すか、分かる人はどれくらいいるだろう。1980年代に国内で巻き起こったというブームに接した人ならご存じかもしれない。
手球を棒状の「キュー」で突き、的球に当ててポケット(穴)に落とすビリヤードは、手軽に楽しめるレジャーや、プロ・アマチュアを問わない競技スポーツとして、世界中で親しまれている。
国内での大流行は、ポール・ニューマンやトム・クルーズが出演した映画「ハスラー2」(86年公開)に影響を受けたものだという。
80年代生まれの記者は当時の熱狂に触れたことはないが、通っていた新潟大学近くのビリヤード場で友人に誘われるがままにプレーして以降、ポケットにボールを落とす楽しさに取りつかれた。
ビリヤードと一口に言っても、主要な種目だけで、「ポケットビリヤード」、ポケットのない台を使う「キャロム」、台が大きく球数も多い「スヌーカー」の三つがある。今回はそのうち、日本で広くプレーされるポケットビリヤードを取り上げる。
ブームが去った後、新潟県内のビリヤード場は一気に数を減らしたが、3年前に新潟市中央区の古町地区に新店がオープンした。それら、日本プロポケットビリヤード連盟(JPBA)認定のプロプレーヤーがいる店を訪れ、魅力を聞くとともに、初心者にはまねできない技術を披露してもらった。...
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