寺尾地区に残る能登半島地震の爪痕。周辺では地震後に人口が減少している=5月30日、新潟市西区
寺尾地区に残る能登半島地震の爪痕。周辺では地震後に人口が減少している=5月30日、新潟市西区

 能登半島地震による深刻な液状化被害が、地域の人口減少に拍車をかけている。元日の地震発生から5カ月となるのを前に、新潟日報社が地震前後の住民基本台帳人口を分析したところ、こうした実態が明らかになった。減少幅が大きかった新潟市西区の寺尾、黒埼両地区では、自宅が壊れ、賃貸型応急住宅(みなし仮設)で暮らす住民が数多くいる。「被害がなかった別の地域に移りたい」「今後も多くの住民が転居しそうだ」。両地区を歩くと、こんな心情を打ち明ける住民もいる。

 「隣も向かいも引っ越した」。寺尾地区の自宅が大規模半壊と判定され、みなし仮設で暮らす50代女性はそう話す。

 病気で亡くなった夫や2人の子どもとの思い出が刻まれ...

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