柏崎刈羽原発7号機で行ってきた検査などについて説明する稲垣武之所長=6月13日、柏崎刈羽原発
柏崎刈羽原発7号機で行ってきた検査などについて説明する稲垣武之所長=6月13日、柏崎刈羽原発

 東京電力は柏崎刈羽原発新潟県の柏崎市、刈羽村にある原子力発電所で、東京電力が運営する。1号機から7号機まで七つの原子炉がある。最も古い1号機は、1985年に営業運転を始めた。総出力は世界最大級の約821万キロワット。発電された電気は関東方面に送られる。2012年3月に6号機が停止してから、全ての原子炉の停止状態が続いている。東電が原発を再稼働させるには、原子力規制委員会の審査を通る必要がある。7号機は2020年に全ての審査に「合格」したが、安全対策を施している最中で、再稼働していない。7号機への燃料装塡(そうてん)に伴う全ての検査を終え、技術的には再稼働東京電力福島第1原発事故を踏まえ、国は原発の新規制基準をつくり、原子力規制委員会が原発の重大事故対策などを審査する。基準に適合していれば合格証に当たる審査書を決定し、再稼働の条件が整う。法律上の根拠はないが、地元の自治体の同意も再稼働に必要とされる。新潟県、柏崎市、刈羽村は県と立地2市村が「同意」する地元の範囲だとしている。が可能な状態となった。事実上の再稼働に当たる原子炉の起動前に「地元の理解」を求めるとしてきた東電。ただ6月13日に開いた記者会見で柏崎刈羽原発の稲垣武之所長は、住民らへの説明については時期や方法が未定な上、地元理解をどう判断するかも「課題」とするにとどめた。再稼働の見通しは立っていない。

 「技術的に原子炉を起動し、運転をしていく準備は整った」。6月13日の会見で稲垣所長は力を込めた。

 東電は「柏崎刈羽原発の目指す姿」として2022年、4項目の柱を掲げた。(1)核物質防護事案の改善措置の十分な効果発揮(...

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