
新潟県に立地する東京電力柏崎刈羽原発新潟県の柏崎市、刈羽村にある原子力発電所で、東京電力が運営する。1号機から7号機まで七つの原子炉がある。最も古い1号機は、1985年に営業運転を始めた。総出力は世界最大級の約821万キロワット。発電された電気は関東方面に送られる。2012年3月に6号機が停止してから、全ての原子炉の停止状態が続いている。東電が原発を再稼働させるには、原子力規制委員会の審査を通る必要がある。7号機は2020年に全ての審査に「合格」したが、安全対策を施している最中で、再稼働していない。6、7号機の再稼働東京電力福島第1原発事故を踏まえ、国は原発の新規制基準をつくり、原子力規制委員会が原発の重大事故対策などを審査する。基準に適合していれば合格証に当たる審査書を決定し、再稼働の条件が整う。法律上の根拠はないが、地元の自治体の同意も再稼働に必要とされる。新潟県、柏崎市、刈羽村は県と立地2市村が「同意」する地元の範囲だとしている。後2年以内に、1〜5号機の一部廃炉を含めた検討を始めるなどとする考え方を、8月22日に東電が表明した。この日、東電の小早川智明社長と会談した柏崎市の桜井雅浩市長が「廃炉計画と同義だ」と評価する一方で、小早川社長は「具体的に話せる段階にはない」と廃炉を確約しなかった。廃炉を巡る両者の認識に隔たりがあるまま、桜井市長は再稼働を容認した形だ。
桜井市長は再稼働の条件として7項目を求めており今回、東電がそれぞれに回答した=表参照=。そのうちの1項目が「1基以上の廃炉計画の明確化」だった。桜井市長は東電の回答について「廃炉を含む最適な電源構成の道筋...
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