
東京電力福島第1原発2号機での溶融核燃料(デブリ)取り出し作業がミスで中断した。作業は、装置の並び順の誤りという単純ミスで出だしからつまずいた。背景にあるのは、長年指摘される廃炉作業の「多重下請け構造」。高線量で重装備が必要な厳しい現場を下請け任せにしてきた東電の管理体制の甘さが浮き彫りになった。専門家は今後もミスが起きかねないと警鐘を鳴らす。
▽ずさんな実態
「(元請けの三菱重工業や下請けなど)協力企業に任せきりで東電の関与が薄い。大いに反省すべき点だ」。東電の小野明廃炉責任者は9月5日、記者会見で釈明した。この日東電が明らかにした調査結果からは、廃炉の最重要工程でのずさんな実態が浮かぶ。
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