
ズーム取材に応じる城西大の伊関友伸教授
新潟県の地域医療の根幹を長年担ってきた県立病院とJA県厚生連病院の経営が危機的状況となっている。なぜここまで追い込まれたのか。再生の道はあるのか。第7回はインタビュー編として、全国の公立・公的病院に詳しく、病院再建にも携わってきた城西大経営学部の伊関友伸教授(63)=行政学=に、新潟県の医療体制の問題点と解決の処方箋を聞いた。(7回続きの7)
-県立病院とJA県厚生連を中心とした新潟県の医療体制についてどうみていますか。
「中小病院が多く、高度急性期病院の機能が中途半端にみえる。全国と比較しても医師数が200人以上の病院が少ない。医師が少ないと手術数の実績要件を満たすことが難しくなり、(病院の体制を評価した加算である)総合入院体制加算や急性期充実体制加算が取れなくなるなど収益にも影響してくる」
-病院機能を上げるために必要な対策は。
「急性期病院でも、成長する病院と衰退する病院の二極化が起きている。医療の高度専門化に対応できれば医師・看護師が集まって収益が上がり、再投資しやすくなる。こうした病院は研修力もあり、若手医師が集まりやすくなる」
「広島県は人口当たりの医師数がそれほど多くないものの、高い加算を取っている病院が圧倒的に新潟より多い。新潟は病院が一丸となって加算を取りに行く『気合』のようなものが弱い...
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