東京電力柏崎刈羽原発新潟県の柏崎市、刈羽村にある原子力発電所で、東京電力が運営する。１号機から７号機まで七つの原子炉がある。最も古い１号機は、１９８５年に営業運転を始めた。総出力は世界最大級の約８２１万キロワット。発電された電気は関東方面に送られる。２０１２年３月に６号機が停止してから、全ての原子炉の停止状態が続いている。東電が原発を再稼働させるには、原子力規制委員会の審査を通る必要がある。７号機は２０２０年に全ての審査に「合格」したが、安全対策を施している最中で、再稼働していない。の再稼働東京電力福島第１原発事故を踏まえ、国は原発の新規制基準をつくり、原子力規制委員会が原発の重大事故対策などを審査する。基準に適合していれば合格証に当たる審査書を決定し、再稼働の条件が整う。法律上の根拠はないが、地元の自治体の同意も再稼働に必要とされる。新潟県、柏崎市、刈羽村は県と立地２市村が「同意」する地元の範囲だとしている。問題を巡り、新潟県の花角英世知事と桜井雅浩柏崎市長の考え方の差が目立ち始めている。１１月の市長選挙で３選を果たした桜井市長は「早期に判断を」と迫るが、花角知事は「議論の材料がそろっていない」と受け流している。桜井市長の主張に一定の理解を示す地元市議会議員がいる一方、新潟県幹部は事故時の広域避難の課題などが山積しており、花角知事の判断にはなお時間が必要と見立てる。
「エネルギーセキュリティーや気候変動を防ぐ意味でも既に県のスケジュール感、論理は通じる段階ではない。知事が判断する時期に来ている」。柏崎市長選の投開票日だった１１月１７日の夜、勝利を確実にした桜井氏は報道陣に持論を語った。さらに、再稼働の是非を示した上で県民に「信を問う」とする一方、具体的手法を明言しない花角知事の態度を「禅問答を繰り返す時期ではない」と批判した。
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すれ違いは夏から際立つようになった。きっかけは花角知事の発言だった。...
