
人口減少などで地域経済が縮小しつつある中、国内外から投資を呼び込み、地域経済を活性化できるかが課題となっている。注目されているのがファンの力だ。経営者や商品・サービスに魅力を感じ、「推し活」のような形で応援する動きが増えている。重点企画「シン誘致時代」最終シリーズは、熱意と新たな手法でファンの心をつかみ、新潟県内に資金を磁石のように引き寄せる戦略や取り組みを追う。(6回続きの2)
赤いバラを胸に着けた経営陣が、記念の鐘を鳴らした。2024年10月下旬、東京・日本橋兜(かぶと)町の東京証券取引所で行われたコンサルティング業のグローカルマーケティング(長岡市)の上場セレモニー。会場には、新興企業への投資や起業家育成を担う新潟ベンチャーキャピタル(VC、新潟市中央区)の永瀬俊彦社長(57)の姿もあった。
新潟VCの投資先であるグローカルが上場したのは、特定投資家向けの東京プロマーケットだ。東証スタンダード上場を将来的な目標としている。永瀬社長は「ステップアップを支援していく」と語った。

新潟VCの設立から14年。投資先の上場は3社目で、徐々に実績が出始めている一方、県内の起業はまだ活発ではない。15億円規模のファンドを通じた投資先は...
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