
人口減少などで地域経済が縮小しつつある中、国内外から投資を呼び込み、地域経済を活性化できるかが課題となっている。注目されているのがファンの力だ。経営者や商品・サービスに魅力を感じ、「推し活」のような形で応援する動きが増えている。重点企画「シン誘致時代」最終シリーズは、熱意と新たな手法でファンの心をつかみ、新潟県内に資金を磁石のように引き寄せる戦略や取り組みを追う。(6回続きの6)
2024年産の新米が倉庫に積み上がった10月、南魚沼市の「ひらくの里ファーム」の事務所では、スタッフが全国各地に向けた南魚沼産コシヒカリの発送作業に追われていた。青木拓也代表(34)は「ネットを通じた直売が増えている。特にふるさと納税生まれ故郷など地方を活性化するため2008年度に始まった。自己負担分の2千円を除いた額が住民税、所得税から差し引かれる。控除額には上限があり、所得や世帯構成などに応じて変わる。豪華な返礼品を呼び水とした自治体の寄付獲得競争が過熱している面もある。での返礼品需要は右肩上がりだ」と明かす。
2017年に設立し、作付け面積や売上高は年々伸長している。直売事業と卸売りの割合が半々で、直売事業のうち、ふるさと納税の返礼品の売り上げが5割超を占める。もともとは高額納税者が単価の高い返礼品を選ぶ傾向にあったが、「今はふるさと納税が一般にも知れ渡り、裾野が広がっている」と青木代表。寄付額1万〜1万2千円がボリュームゾーンだという。

コメ定期便が返礼品となる、10万円を超える寄付額帯も好調。特に昨夏からコメの品薄感が社会問題となって以降、...
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