
村上市役所に入る経済産業省資源エネルギー庁の担当者=1月31日
東京電力柏崎刈羽原発新潟県の柏崎市、刈羽村にある原子力発電所で、東京電力が運営する。1号機から7号機まで七つの原子炉がある。最も古い1号機は、1985年に営業運転を始めた。総出力は世界最大級の約821万キロワット。発電された電気は関東方面に送られる。2012年3月に6号機が停止してから、全ての原子炉の停止状態が続いている。東電が原発を再稼働させるには、原子力規制委員会の審査を通る必要がある。7号機は2020年に全ての審査に「合格」したが、安全対策を施している最中で、再稼働していない。の再稼働東京電力福島第1原発事故を受け、国は原発の新規制基準をつくり、原子力規制委員会が原発の重大事故対策などを審査する。基準に適合していれば合格証に当たる審査書を決定し、再稼働の条件が整う。法律上の根拠はないが、地元の自治体の同意も再稼働に必要とされる。新潟県、柏崎市、刈羽村は県と立地2市村が「同意」する地元の範囲だとしている。を目指す経済産業省資源エネルギー庁が、水面下で新潟県内市町村の首長にアプローチしている。県内のほぼ全域を巡ったエネ庁主催の説明会と並行して首長たちと面会。名目は時候のあいさつだが、訪問自体を「再稼働に向けた一つの布石」と受け止めた首長もいる。(本社原発問題取材班)
1月末、村上市役所にエネ庁原子力立地政策室の前田博貴室長の姿があった。村上市で行われた説明会でエネルギー情勢の説明に立ったエネ庁幹部の一人だ。高橋邦芳市長と面会した後、市役所を出る室長に記者が目的を尋ねると、「表敬ですよ」と答えた。
その2週間前、関川村の加藤弘村長も前田室長の訪問を受けた。「こちらから...
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