2024年9月に移転したさくら製菓の本社兼工場=新発田市岡田

 真新しい工場に、ふかしたての餅の香ばしい香りが漂う。米菓製造販売の「さくら製菓」は、「さくら堂」のブランド名で知られる。

 原料のコメは県内産のみを使用し、加工デンプンなどを添加しない「コメ100%」にこだわる。黒豆は北海道産、ノリは瀬戸内海産など国産を使用。贈答用など高級路線を追求し、大手との違いを打ち出す。

 「うちは『多品種小ロット』。だから付加価値を高められる」と、寺尾正司社長(39)は強調する。相手先ブランドによる生産(OEM)は、売り上げの5割強を占める。

 昨年9月、本社兼工場を新発田市中心部の住宅街から郊外の新発田食品工業団地に移転。総額約8億円を投じた新工場には、...

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