村山陽さん(2019年、小林喜一さん提供)

 上越市を拠点に活動し、地元の風景や人物など多彩な作品を残した洋画家の故村山陽さん。高校の美術教員を定年まで勤め、日展や一水会展に出品するため毎年、100号の大作を2点ずつ描くなど創作意欲は最期まで衰えなかった。89歳で亡くなり、12月で5年。ファンは今なお村山さんのギャラリーを訪れ、絵を教わった人たちは創作を続けている。新潟県の美術振興に尽力した村山さんの作品と魅力を紹介する。

(上越支社・笠原武史)

美術教員を定年まで勤め…「期末テスト」を鮮やかに表現

教え子が語る「エネルギッシュな色彩感覚」

 村山さんは新潟市西蒲区(旧巻町)で生まれ、巻高校を卒業した。東京芸術大を志すもかなわず、和納中学校(当時)の助教諭を1年務めた後、新潟大教育学部高田分校の芸能学科絵画科に進んだ。

 1955年に教...

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