柿の種誕生当時の金型のレプリカ。当時の金属はより薄かったという=長岡市摂田屋町
柿の種誕生当時の金型のレプリカ。当時の金属はより薄かったという=長岡市摂田屋町

 三日月形で、しょうゆ味がおなじみの「柿の種」。県内外の多くのメーカーが同じ商品名で手がける米菓だが、ルーツは浪花屋製菓(長岡市)にある。誕生は100年前。偶然がもたらしたものだった。

 同社は1923年に今井與三郎(よさぶろう)さんが創業。24年、薄く削った板餅を重ねて型抜きをする際、妻・さきさんが誤って楕円(だえん)形の金型を踏んで、ゆがんでしまった。それでくりぬくと、まるで柿の種。見た目そのままを商品名にした。

 浪花屋の柿の種は瞬く間に人気となった。積もった雪の上から同社の工場内をのぞくことができたため、他社へ製法が広まったという豪雪地ならではのエピソードも。與三郎さんは、消雪パイプを開発...

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