【柏崎刈羽原発再稼働問題巡る公聴会】「賛成」6割も懸念強く…避難への不安、経済メリット実現望む

　東京電力柏崎刈羽原発柏崎市、刈羽村にある原子力発電所で、東京電力が運営する。１号機から７号機まで七つの原子炉がある。最も古い１号機は、１９８５年に営業運転を始めた。総出力は世界最大級の約８２１万キロワット。発電された電気は主に関東方面に送られる。２０１２年３月に６号機が停止してから、全ての原子炉の停止状態が続いている。東電が原発を再稼働させるには、原子力規制委員会の審査を通る必要がある。７号機は２０２０年に、６号機は２０２５年に全ての審査に「合格」した。７号機は２０２４年６月に技術的には再稼働できる状況が整った。の再稼働東京電力福島第１原発事故を受け、国は原発の新規制基準をつくり、原子力規制委員会が原発の重大事故対策などを審査する。基準に適合していれば合格証に当たる審査書を決定し、再稼働の条件が整う。法律上の根拠はないが、地元の自治体の同意も再稼働に必要とされる。新潟県、柏崎市、刈羽村は県と立地２市村が「同意」する地元の範囲だとしている。是非に関する県主催の公聴会が８月末で全５回の日程を終えた。参加した公述人計８７人の発言を基に新潟日報社が集計したところ「賛成」３２人、「条件付き賛成」２０人、「反対」２８人、「その他」が７人だった。条件付きも含めて全体の約６割が賛成の意思を示したが、事故時の避難の不安感を解消することや経済メリットの実現を再稼働の条件に挙げる人が目立った。公聴会で賛成とした人の中でも考えは濃淡があった。...