鍋やおせち料理、おでんなどの主役級食材として親しまれている練り物。原料の魚のすり身は、かまぼこやだて巻き、ちくわ、カニ風味かまぼこなど、さまざまな製品に姿を変え、食卓を彩る。
国の統計で新潟県は、かまぼこなどが含まれる「その他の水産練製品」の出荷額が344億円(2023年)と全国トップを占める。「かまぼこ類」の生産量(24年)は全国2位だ。練り物を製造する県内企業を紹介します。
アラスカなどに赴きすり身の食味確認、野菜の鮮度管理も徹底
魚を揚げた香ばしい香りが漂う伏見蒲鉾(新潟市北区)の工場。旬の魚のすり身と自社で加工した新鮮な野菜を混ぜ込み、きつね色に揚がった「えび入(いり)紅しょうが揚(あげ)」が次々と包装される。年間千トンを売り上げる主力商品だ。
5代目社長の伏見琢磨さん(53)は「すり身の品質の高さが全てのベースになる。昔ながらの品質を維持、向上するため、すり身選びには手間と時間をかけている」と力を込める。
1950年、佐渡市出身の祖父豊治(とよじ)さんが現在の新潟市中央区西湊町通3ノ町で「伏見豊治商店」を創業。69年に新潟市東区下場に本社を置き、有望な市場と捉えた北海道への工場開設などを経て、93年に現在の新崎に本社を移転。70年以上にわたって原料を厳選したかまぼこ作りを手がけてきた。
スケトウダラなどすり身の原料になる魚は、北米やアラスカ、国内では北海道などで取れる。良質なすり身を入手するために、どの産地が最も旬かを念頭に置いて選定する。
一般的な品質検査に加え、...
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