
夏の夜空に輝く天の川。宮沢賢治の名作「銀河鉄道の夜」の舞台でもある。
「このぼんやりと白い銀河を大きないい望遠鏡で見ますと、もうたくさんの小さな星に見えるのです」
物語は、先生がそう主人公のジョバンニらに、天の川を解説する場面から始まる。
天の川は、まさに星の集まりだ。天の川銀河とも呼ばれ、2千億個の星があるとされる。地球もその中の一つで、銀河を外側から観測することはできない。
天の川銀河は中心部が上下に膨らんだ円盤のような形で、全体が渦を巻いていることが分かっている。地球は中心部から約2万7千光年離れた渦の端にある。
天の川は銀河の中心部で、どら焼きで言えば、皮の部分から真ん中のあんこの多...
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