柏崎市笠島の岬「田塚鼻」。西側の崖を見ると、上下の水平な地層の間に、ぐにゃりと曲がった地層が挟まっている(小型無人機から、長岡支社・富山翼撮影)

 地層と言えば、色合い、風合いの異なる土がほぼ水平に積み重なり、きれいなしま模様をなしているものとばかり思っていた。そんな先入観を打ち砕く地層に出合った。

 新潟県柏崎市と上越市にまたがる霊峰・米山(993メートル)の山麓。柏崎市笠島の海に突き出た岬「田塚(たつか)鼻」に、それはある。

 岬の西側の崖には、地層が露出した「露頭」が見られる。その中腹で地層がぐにゃりと大きく反り返っている。よく見ると、曲がっている地層があちこちにある。

 不思議なのは、変形している地層は中腹だけで、上下の地層はほぼ水平なことだ。長い年代をかけてゆっくりとねじ曲がっていったのなら、上下の地層も一緒に曲がっているはずだ。

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