父から母への手紙をまとめた冊子を見て、亡き父をしのぶ小出晃代さん=長岡市栄町2
父から母への手紙をまとめた冊子を見て、亡き父をしのぶ小出晃代さん=長岡市栄町2

 1945年8月15日の終戦から78年となった。戦争を経験した人が少なくなる中、新潟日報社は当時の日記や手紙を募った。太平洋戦争を手記や証言からたどり、人々の生活や思いを伝える連載[戦後78年・記録でたどる戦争]に掲載しきれなかった話を番外編として紹介する。

◆「むらっぺの手紙が待ち遠しい」母が大切にしていたラブレター

 新潟県長岡市栄町2の小出晃代(てるよ)さん(77)の元には、海軍の軍人だった亡き父の深瀧長次郎さんが、戦時中に母ムラさんに送った手紙が残る。父から“ラブレター”をもらったと口にしていた母が亡くなった後に見つかった手紙には、夫婦の仲むつまじいやりとりや、戦時中の海を巡る緊迫した状況が記されていた。

 長次郎さんは県立栃尾農商学校(現在の栃尾高...

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