全原協の総会で意見を述べる柏崎市の桜井雅浩市長=5月22日、東京都千代田区
全原協の総会で意見を述べる柏崎市の桜井雅浩市長=5月22日、東京都千代田区

 全国の原発立地市町村でつくる全国原子力発電所所在市町村協議会(全原協)は5月22日、都内で総会を開いた。新潟県に立地する東京電力柏崎刈羽原発新潟県の柏崎市、刈羽村にある原子力発電所で、東京電力が運営する。1号機から7号機まで七つの原子炉がある。最も古い1号機は、1985年に営業運転を始めた。総出力は世界最大級の約821万キロワット。発電された電気は関東方面に送られる。2012年3月に6号機が停止してから、全ての原子炉の停止状態が続いている。東電が原発を再稼働させるには、原子力規制委員会の審査を通る必要がある。7号機は2020年に全ての審査に「合格」したが、安全対策を施している最中で、再稼働していない。再稼働東京電力福島第1原発事故を踏まえ、国は原発の新規制基準をつくり、原子力規制委員会が原発の重大事故対策などを審査する。基準に適合していれば合格証に当たる審査書を決定し、再稼働の条件が整う。法律上の根拠はないが、地元の自治体の同意も再稼働に必要とされる。新潟県、柏崎市、刈羽村は県と立地2市村が「同意」する地元の範囲だとしている。に前向きな姿勢を示している柏崎市の桜井雅浩市長は再稼働への地元同意新規制基準に合格した原発の再稼働は、政府の判断だけでなく、電力会社との間に事故時の通報義務や施設変更の事前了解などを定めた安全協定を結ぶ立地自治体の同意を得ることが事実上の条件となっている。「同意」の意志を表明できる自治体は、原発が所在する道県と市町村に限るのが通例。日本原子力発電東海第2原発(茨城県東海村)を巡っては、同意の権限は県と村だけでなく、住民避難計画を策定する30キロ圏の緊急防護措置区域(UPZ)内の水戸など5市も対象に加わった。に関して「本当に必要なのか。法的位置づけがなく合理的でない」などと主張した。

 柏崎刈羽原発の再稼働を巡っては、3月に国が新潟県と柏崎市、刈羽村に同意を要請したが、県内の他の自治体首長からは「時期尚早だ」との慎重な発言が相次いでいる。

 桜井市長は...

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