1976年に建てられ、ホテルとして生まれ変わった、4代目となる現在のイタリア軒

 新潟県初の西洋料理店として明治時代初期の1874年に創業したホテルイタリア軒(新潟市中央区西堀通7)はことし、150周年を迎えた。開いたのは一人のイタリア人だった。その後、その店は高級宴会場や社交場として多くの人々が集い、「新潟の鹿鳴館(ろくめいかん)」とも呼ばれる人気スポットに。誰もが知る文豪も訪れた。そして、ホテルに姿を変えた現在も、老舗の味のファンは多い。新潟県の洋食文化をリードし、長く愛されてきた歴史を振り返り、口伝えでつないできた伝統の味を紹介する。

(報道部・鷲尾弥咲)

創業者はサーカス団の料理人!“文明開化”の礎築く

イタリア人ピエトロ・ミオラの「功績」

 創業者のイタリア人ピエトロ・ミオラ(ミリオーレ)は、フランスのサーカス団「スリエ曲馬団」の料理人だった。1874...

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