店の準備をする安藤哲史さん。「建物が持たなくなったら、コンテナハウスにしてでも営業を続ける」と決意している=新潟市西区
店の準備をする安藤哲史さん。「建物が持たなくなったら、コンテナハウスにしてでも営業を続ける」と決意している=新潟市西区

 能登半島地震の発生から1月1日で1年となった。新潟県内の住宅被害は2万4千棟超。中でも液状化で甚大な被害が出た新潟市西区寺尾地区では、傾いた家や塀、波打つ道路が今もなお至る所で見られる。被災住民の多くは先行きに不安を抱えたままだが、住み慣れた愛着のある場所で暮らし続けたいと前を向く住民もいる。

 寺尾地区の県道沿いにある、真新しい駐車場と看板。理容室「床屋ふじ」は地震で被災した後も休業せず、店を開け続けている。「復旧と営業を並行して、今の形になったのは7月くらい。あっという間の1年だった」。店主の安藤哲史(さとし)さん(48)は振り返る。

 あの日、忙しかった年末営業後の片付けを一人でしていた。...

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