
稲垣公雄氏
コメ増産への政策転換を石破茂首相が表明した。増産によって主食であるコメの安定供給を目指す一方、農家の経営との両立が課題となる。コメ政策見直しにはどのような視点が求められるのか。連載「コメ政策 転換の足元で」番外編として、農業政策に詳しい三菱総合研究所研究理事の稲垣公雄氏(58)に聞いた。(報道部・榎本文)
-「令和の米騒動」をどう見ますか。
「『米騒動』の直前まで、コメ政策はある程度うまく回っていた。(米価高騰は)高齢化などで農業生産基盤が弱体化し、価格が安すぎて主食用米を十分作れなかった事情もある。そこに酷暑の影響を受けた。従来の手法が通用しなくなっている」
-生産現場が疲弊している中で増産は...
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