
6月に発売したコメのギフトセットの発送作業をする桑原真吾さんと妻のあゆみさん=南魚沼市(長岡支社・金子悟)
コメの生産から流通、販売までの「商流」が多様化する中、個人農家も新たな商流をつくろうと動いている。日本最高峰のブランド米「魚沼コシヒカリ」の産地、南魚沼市で農業を営む桑原真吾さん(38)もその一人だ。数々の品評会で賞を取り、ネット販売でも多くのファンがいる。「令和の米騒動」に困惑しながらも自ら価格を決め、新たな市場を切り開く。(報道部・萩野玲子)
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東京・築地にあるカウンターのみの高級日本料理店「櫻木」。2万7500円のコース料理の締めに出るのは、新潟県のブランド米「新之助」の炊きたての白ご飯だ。数々の料理がある中で、つやつやで甘みがあるご飯が食通を魅了する。
このコメを作っているのが、桑原農産代表の桑原さん。家族3人を中心とした個人経営で、2年前に新之助が国内最大規模の品評会「米・食味分析鑑定コンクール国際大会」で最高賞を受けた。
「櫻木」店主の櫻木出さん(49)もその味に太鼓判を押す。「色がきれいで炊くとつやがでる。雑味がなく、みなおいしいと言っている」と賛辞を送る。
食味向上や付加価値の高いコメ作りでブランドを高めてきた桑原さん。今秋に収穫するコメから、JAを通さず、...
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