桜井雅浩・柏崎市長(左)と面会する小早川智明・東京電力社長(右から2人目)=4日、柏崎市役所
桜井雅浩・柏崎市長(左)と小早川智明・東京電力社長=4日、柏崎市役所

 4日に行われた柏崎市の桜井雅浩市長と東京電力の小早川智明社長の会談では、東京電力柏崎刈羽原発柏崎市、刈羽村にある原子力発電所で、東京電力が運営する。1号機から7号機まで七つの原子炉がある。最も古い1号機は、1985年に営業運転を始めた。総出力は世界最大級の約821万キロワット。発電された電気は主に関東方面に送られる。2012年3月に6号機が停止してから、全ての原子炉の停止状態が続いている。東電が原発を再稼働させるには、原子力規制委員会の審査を通る必要がある。7号機は2020年に、6号機は2025年に全ての審査に「合格」した。7号機は2024年6月に技術的には再稼働できる状況が整った。の一部廃炉を巡る認識がかみ合わなかった。東電側が示した「回答」について、桜井市長が「一部廃炉への意思表明」だと受け止めた一方、小早川社長は「廃炉を約束したものではない」と強調。認識は正反対に映るが、両者の思惑は何だったのか。

 柏崎刈羽原発の再稼働東京電力福島第1原発事故を受け、国は原発の新規制基準をつくり、原子力規制委員会が原発の重大事故対策などを審査する。基準に適合していれば合格証に当たる審査書を決定し、再稼働の条件が整う。法律上の根拠はないが、地元の自治体の同意も再稼働に必要とされる。新潟県、柏崎市、刈羽村は県と立地2市村が「同意」する地元の範囲だとしている。問題を巡り、桜井市長は再稼働を容認する条件に、1〜5号機の1基以上の廃炉計画の明確化を求めている。市長が重視するのは、柏崎刈羽に原子炉7基が集中して立地している安全リスクの解消や緩和だ。

 東電側は昨夏、「6、7号機の再稼働後2年以内」に廃炉を含む検討を進めると...

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