横山華山「紅花屏風」左隻 1825(文政8)年(山形美術館 長谷川コレクション)

 コレクションと言えば、切手やおもちゃなど、個人が趣味で集めた品々を思い浮かべるが、山形県の長谷川家は代々、優れた美術品を収集し、長谷川コレクションとして知られる。

 新潟市秋葉区の市新津美術館で「山形美術館所蔵 長谷川コレクション展」(新潟日報社など主催)が開催中。円山応挙、川合玉堂、富岡鉄斎ら、美術にあまり詳しくない記者でも知っている著名な作家の作品を鑑賞できる。

 長谷川家は江戸時代中期以降に紅花で栄えた豪商。その美術品の寄贈を受けた山形美術館(山形市)は、コレクション292点を所蔵している。江戸時代から明治を中心とした書画と工芸品で、国重要文化財や山形県指定有形文化財も含まれている。

 市新...

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