2019年の「ワールドグランプリ」でスペインに勝利し、笑顔で場内を歩く川村怜さん(中央)=東京都品川区

 アイマスクで目隠しした選手が、まるで見えているかのように激しくボールを奪い合う。巧みなパスやドリブルでボールを運び、目の見えるキーパーが立ちはだかるゴールにシュートを決める-。

 視覚障害者向けのスポーツ「ブラインドサッカー」は、パラリンピックの人気競技だ。今夏の東京パラリンピックで、日本は開催国枠で初出場する。目標は金メダル。世界を驚かせようと、準備を続けている。

 日本代表の主将を務め、エースとして活躍が期待されるのが、川村怜さん(32)だ。豊富な運動量と抜群の得点力で存在感を放つ。

 特にドリブルでの突破力には注目だ。ボールは転がると、音が鳴る仕組みになっている。川村さんはスピードの緩急だけ...

残り3378文字(全文:3678文字)