特注キーパーグローブを使用しているGK平尾知佳選手

 ニュージーランドとオーストラリアで開催中のサッカー女子ワールドカップ(W杯)で、なでしこジャパンが決勝トーナメント進出を決めた。8強入りは逃したが、メンバーには、アルビレックス新潟レディース所属で新潟県新発田市在住のGK平尾知佳選手(26)が名を連ねた。

 平尾選手は4年前に続く2度目の日本代表で、若手への指導係やチームの精神的支柱としても役割は大きい。そんな平尾選手は以前、「(試合には)愛用のキーパーグローブを3双は持って行く」と話していた。そして、そのグローブを見せてもらい驚いた。通常と形が違い、右手の薬指と小指が一体になっている。「特注で作ってもらっている」という。

 ならば男子はどうだろう。アルビレックス新潟のGK小島亮介選手のキーパーグローブを見せてもらうと、同じアディダスジャパン社製で、色は似ているものの、指は5本だった。

 小島選手は必ず自分で手洗いするそうだが、男子のクラブチームにはおおむね、専門の用具係(エキップメント)がいて、試合後のメンテナンスも行っている。

 アルビレックス新潟のエキップメントマネジャー玉川皓太(こうた)さん(31)によると、例えばスパイクは「多い選手で1試合に7足用意する」という。晴れ用、雨用のほか、試合を戦っているうちにぬれたりフィット感が失われたりするため、アップ、前半、後半で替える選手もいるそうだ。

 用具一つ一つに注目してみると、何げなく見ている試合も、また別の見え方があるかもしれない。プロサッカー選手の用具へのこだわりを教えてもらった。

ずらりと並んだ選手たちのスパイク(アルビレックス新潟提供)

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