
豊島剛志・新潟大名誉教授
1月の能登半島地震で、石川県輪島市では地盤が最大4メートル隆起した。東京電力柏崎刈羽原発新潟県の柏崎市、刈羽村にある原子力発電所で、東京電力が運営する。1号機から7号機まで七つの原子炉がある。最も古い1号機は、1985年に営業運転を始めた。総出力は世界最大級の約821万キロワット。発電された電気は関東方面に送られる。2012年3月に6号機が停止してから、全ての原子炉の停止状態が続いている。東電が原発を再稼働させるには、原子力規制委員会の審査を通る必要がある。7号機は2020年に全ての審査に「合格」したが、安全対策を施している最中で、再稼働していない。で同規模の隆起が生じると、海中に設置されている「貯留堰(ちょりゅうぜき)」の中にためた原子炉冷却用の海水が枯渇する恐れがある。東電は「隆起が起こる可能性は極めて低い」とした上で、4メートル隆起したとしても、堰周辺の水深は5・5メートルあるため、堰の外側にポンプを下ろせば取水できると強調する。東電の説明や対応策について、...
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