大佐渡地域で初めて行われた放鳥で、力強く飛ぶトキ=6月、佐渡市小野見
大佐渡地域で初めて行われた放鳥で、力強く飛ぶトキ=6月、佐渡市小野見

 環境省が能登半島地震の復興支援の一環で、本州初のトキの放鳥を早ければ2026年度にも石川県の能登地域で実施する方向で検討に入った。方針判明を受けて8月26日、トキと共生する取り組みを続けてきた新潟県の佐渡島内からは「生息域や数の拡大につながればいい」と歓迎する声が上がった。一方、能登半島の関係者からは「トキの受け入れどころではない被災者もいる。態勢整備へ市民の理解が得られるかどうか」と懸念する声も聞かれた。

 佐渡では08年の初放鳥以降、トキと共生する取り組みが全島を挙げて進められている。活動が実を結び、野生下のトキは23年末現在、推定532羽となった。一方、過密化などによる繁殖率低下や、生息...

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