柏崎刈羽原発
柏崎刈羽原発
会見する柏崎市の桜井雅浩市長=10月2日、柏崎市役所

 新潟県柏崎市の桜井雅浩市長は10月2日の定例記者会見で、東京電力が原子力規制委員会原発推進を担う経済産業省から安全規制の役割を分離させ、原子力規制に関する業務を一元化した組織。東京電力福島第1原発事故を受けて発足した。国家行政組織法3条に基づき、人事や予算を独自に執行できて独立性が高い「三条委員会」として環境省の外局に位置付けられる。衆参両院の同意を得て首相が任命する委員長と委員4人で構成する。に提出した柏崎刈羽原発新潟県の柏崎市、刈羽村にある原子力発電所で、東京電力が運営する。1号機から7号機まで七つの原子炉がある。最も古い1号機は、1985年に営業運転を始めた。総出力は世界最大級の約821万キロワット。発電された電気は関東方面に送られる。2012年3月に6号機が停止してから、全ての原子炉の停止状態が続いている。東電が原発を再稼働させるには、原子力規制委員会の審査を通る必要がある。7号機は2020年に全ての審査に「合格」したが、安全対策を施している最中で、再稼働していない。6号機を巡る申請書の中で運転開始予定時期を「2025年4月」と記載したことに関し、「私の要望を無視して、4月に営業運転開始ということにはならないと思う」と述べた。

 東電は先行して再稼働東京電力福島第1原発事故を踏まえ、国は原発の新規制基準をつくり、原子力規制委員会が原発の重大事故対策などを審査する。基準に適合していれば合格証に当たる審査書を決定し、再稼働の条件が整う。法律上の根拠はないが、地元の自治体の同意も再稼働に必要とされる。新潟県、柏崎市、刈羽村は県と立地2市村が「同意」する地元の範囲だとしている。を目指す7号機に続き、6号機の審査手続きも進めている。東電は「25年4月」の表記は「あくまで仮置き」と説明している。

 桜井市長は再稼働の条件の一つに、6、7号機で保管する使用済み核燃料原発で一度使用した燃料。原発の燃料は原料であるウラン鉱石を加工し、焼き固めた「ペレット」と呼ばれるものの集合体で、使用後も見た目や形は使用前と変わらない。使用済み核燃料の中にはウランやプルトニウムなどのまだ燃料として使える資源が95~97%残っているとされる。の貯蔵率を「おおむね80%以下にすること」を挙げている。東電は、貯蔵率が約97%になっていた7号機の使用済み核燃料の一部を3号...

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