核物質防護に関わる情報の管理の在り方などについて意見が交わされた「地域の会」=10月2日夜、柏崎市荒浜1
核物質防護に関わる情報の管理の在り方などについて意見が交わされた「地域の会」=10月2日夜、柏崎市荒浜1

 東京電力柏崎刈羽原発新潟県の柏崎市、刈羽村にある原子力発電所で、東京電力が運営する。1号機から7号機まで七つの原子炉がある。最も古い1号機は、1985年に営業運転を始めた。総出力は世界最大級の約821万キロワット。発電された電気は関東方面に送られる。2012年3月に6号機が停止してから、全ての原子炉の停止状態が続いている。東電が原発を再稼働させるには、原子力規制委員会の審査を通る必要がある。7号機は2020年に全ての審査に「合格」したが、安全対策を施している最中で、再稼働していない。の安全性について住民が議論する「原発の透明性を確保する地域の会」の定例会が10月2日夜、新潟県柏崎市荒浜1の柏崎原子力広報センターで開かれた。核物質防護国際的なテロリズムなどを背景とした核物質の盗取など不法な移転や妨害破壊行為などに対する防護。を巡り、柏崎刈羽原発で行われている使用済み核燃料原発で一度使用した燃料。原発の燃料は原料であるウラン鉱石を加工し、焼き固めた「ペレット」と呼ばれるものの集合体で、使用後も見た目や形は使用前と変わらない。使用済み核燃料の中にはウランやプルトニウムなどのまだ燃料として使える資源が95~97%残っているとされる。の号機間輸送や、青森県むつ市の中間貯蔵施設原発から出た使用済み核燃料を、再処理するまで一時的に貯蔵する施設。日本原燃の再処理工場(青森県六ケ所村)の稼働遅れで、電力各社は燃料保管先の確保を迫られ、原発敷地内での貯蔵施設整備などを進める。東京電力と日本原子力発電は共同出資で「リサイクル燃料貯蔵」を2005年に設立し、青森県むつ市に施設を建設した。金属製容器に入れた燃料を屋内で自然冷却する。建設済みの建屋1棟目に3千トン、増設予定の2棟目に2千トンを最長50年間保管する計画。への搬出に関して、情報管理の在り方を問う声が相次いだ。

 東電は9月17日、柏崎刈羽原発7号機で保管されている使用済み核燃料のうち38体を3号機に輸送したと発表。本年度中に輸送を予定している残り342体については、核物質防護の観点から全ての作業が完了した時点で公表するとした。

 これについて本間保委員は「なぜ2回目以降はまとめて公表するの...

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