原発事故時の初動対応を確認した県の原子力防災訓練=1月24日、県庁
原発事故時の初動対応を確認した県の原子力防災訓練=1月24日、県庁

 東京電力柏崎刈羽原発新潟県の柏崎市、刈羽村にある原子力発電所で、東京電力が運営する。1号機から7号機まで七つの原子炉がある。最も古い1号機は、1985年に営業運転を始めた。総出力は世界最大級の約821万キロワット。発電された電気は関東方面に送られる。2012年3月に6号機が停止してから、全ての原子炉の停止状態が続いている。東電が原発を再稼働させるには、原子力規制委員会の審査を通る必要がある。7号機は2020年に全ての審査に「合格」したが、安全対策を施している最中で、再稼働していない。での重大事故を想定した新潟県の原子力防災訓練が1月24日、始まった。冬季の原発事故を想定して、県が大規模な訓練を実施するのは初めて。初日は県庁や事故時の対応拠点となる現地オフサイトセンター(柏崎市)などで机上訓練を実施し、住民避難時の対応を確かめた。

 訓練は大雪により県内各地に数十センチの積雪がある状態で、中越地域を震源とする地震が発生、柏崎市と刈羽村で震度6強を観測し、運転中だった柏崎刈羽原発7号機の冷却機能が一時失われ、放射性物質が放出される想定で行われた。

 訓練には国や県、市町村、東電などから約250人が参加。能登半島地震2024年1月1日午後4時10分ごろに発生した石川県能登地方を震源とする地震。逆断層型で、マグニチュード(M)7.6と推定される。石川県輪島市と北陸電力志賀原発が立地する志賀町で震度7を記録し、北海道から九州にかけて揺れを観測した。気象庁は大津波警報を発表し、沿岸部に津波が襲来した。火災が相次ぎ、輪島市では市街地が広範囲で延焼した。を受けて、地震による雪崩や液状化で道路が寸断したことも想定に織り込み、代替の避難経路を検討する流れを確認した。

 県庁では原発から30キロ圏の市町村や関係機関を中継で結んで災害対策本部会議が開かれ、放射線量が高まった地域の住民に対して一時避難を決定する手順を確かめた。

 柏崎市役所でも災害対策本部が設置され...

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