
東京電力柏崎刈羽原発は柏崎市と刈羽村にまたがって立つ。その柏崎市の北東に隣接する出雲崎町は、原発から15キロほど。原発立地自治体ではないが、距離は近い。そんな場所に暮らす人たちは、再稼働問題をどう見ているのか。町を歩くと、近距離であるがゆえの複雑な思いが見えてきた。(報道部・小林夕夏)
雨がぱらつく10月上旬。出雲崎漁港では、漁師の坂下博孝さん(62)と弟の博康さん(58)が翌日の漁に向けて網の準備に追われていた。「これで明日はタイを狙うんだ」と博孝さん。漁師家系の15代目として長年、海と向き合ってきた。
原発への関心は高い。再稼働問題について尋ねると、博孝さんは「漁師が賛成なんて言えないけ...
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