尾神岳、米山、妙高連山が一望できる道の駅よしかわ杜氏の郷=上越市吉川区

 東京電力柏崎刈羽原発の再稼働に同意するのか、しないのか-。国からの要請を受け、新潟県は選択を迫られています。花角英世知事は県民の受け止めを見極めて判断すると公言し、その判断材料は間もなくそろう見通しです。再稼働の是非は知事の政治判断に委ねられていますが、肝心の新潟県民はどう考えているのでしょう。新潟日報の記者が全37市区町村、県内津々浦々を訪ね、再稼働問題への率直な意見に耳を傾けます。

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 花角英世知事が11月下旬にも東京電力柏崎刈羽原発の再稼働の是非について、自らの判断を示す見通しです。上越市は一部地域が、柏崎刈羽原発から半径5〜30キロ圏の避難準備区域(UPZ)にあります。11月12日、米山や妙高連山などがぐるっと見渡せる上越市吉川区の道の駅よしかわ杜氏の郷を訪ね、再稼働問題について聞きました。

◆原発から約30キロ、「知事に住んでもらったら気持ちが分かるかも…」

 「知事の判断は、もちろん注目しています」。そばなどを買い求めていた大潟区のパート従業員の女性(53)はこう言います。自宅は原発30キロ圏内にはギリギリ入らない場所にあるといい、「福島の事故は恐ろしかったし、東京電力のトラブルは続いているし…。不安は尽きない」。子どもがこのまま自宅に住むことになった場合を考えると、...

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