両津港に到着した佐渡汽船のカーフェリー=佐渡市

 「佐渡島の金山」が世界文化遺産に登録され、1年余りがたった佐渡市。9月29日の朝一番、新潟港から乗り込んだ両津港行きのジェットフォイルは、観光客やビジネス客らで満席状態でした。にぎわいを見せる島の住民は、東京電力柏崎刈羽原発柏崎市、刈羽村にある原子力発電所で、東京電力が運営する。1号機から7号機まで七つの原子炉がある。最も古い1号機は、1985年に営業運転を始めた。総出力は世界最大級の約821万キロワット。発電された電気は主に関東方面に送られる。2012年3月に6号機が停止してから、全ての原子炉の停止状態が続いている。東電が原発を再稼働させるには、原子力規制委員会の審査を通る必要がある。7号機は2020年に、6号機は2025年に全ての審査に「合格」した。7号機は2024年6月に技術的には再稼働できる状況が整った。再稼働東京電力福島第1原発事故を受け、国は原発の新規制基準をつくり、原子力規制委員会が原発の重大事故対策などを審査する。基準に適合していれば合格証に当たる審査書を決定し、再稼働の条件が整う。法律上の根拠はないが、地元の自治体の同意も再稼働に必要とされる。新潟県、柏崎市、刈羽村は県と立地2市村が「同意」する地元の範囲だとしている。問題について、どんな思いを抱いているのでしょうか。

 
赤泊港に停泊する漁船=佐渡市赤泊

 まず向かったのは、佐渡市南部の赤泊港。柏崎刈羽原発との直線距離が約50キロと、島内でも原発に比較的近い地域です。...

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