斎藤健経済産業相は4月23日の閣議後会見で、東京電力福島第1原発事故2011年3月11日に発生した東日本大震災の地震と津波で、東電福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)の6基のうち1~5号機で全交流電源が喪失し、1~3号機で炉心溶融(メルトダウン)が起きた。1、3、4号機は水素爆発し、大量の放射性物質が放出された。で新潟県に避難した住民らが国と東電に慰謝料などを求めた新潟訴訟東京電力福島第1原発事故で福島県から新潟県に避難を強いられたとして、約800人の住民らが国と東電に原告1人当たり1100万円の損害賠償を求めた訴訟。2013年7月の第1陣を皮切りに第4陣までが提訴。新潟地裁は21年6月の判決で国の責任を否定し、東電にのみ一部賠償を命じた。原告、被告の双方が控訴し、22年8月から東京高裁で控訴審が始まった。の控訴審判決を受け、「国として引き続き被災者に寄り添い、福島の復興再生に向けた取り組みを全力で進める」と述べた。

 4月19日の東京高裁判決は一審新潟地裁判決と同様に、東電に一部の賠償を命じた一方で、国の責任は否定した。斎藤氏は「国の損害賠償責任を否定したと承知しているが、継続中の事案のため個別のコメントは現時点で差し控える」とした。その上で、復興に向けた取り組みとともに「福島第1原発の廃炉などを着実に進める」と話した。

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