
2025年度一般会計当初予算案などを可決し、閉会した2月定例会=3月21日、県議会
新潟県の花角英世知事の2026年6月の2期目満了まで、残り1年3カ月。3月21日に閉会した県議会2月定例会で可決された25年度当初予算は、花角知事が執行する通年予算としては締めくくりとなる可能性がある。だが県議会では東京電力柏崎刈羽原発再稼働問題に質疑が集中し、予算に関する議論は盛り上がりを欠いた。同原発再稼働を巡っては来月、県民投票条例案の審議も控える。県議会は当面、原発への向き合い方を問われそうだ。
花角知事は26年の任期満了に伴う進退に言及していないが、2月の予算案発表時の記者会見では「次(26年度当初予算案)は骨格的なもので止めなければいけないのかもしれない。そうなると、これが最後ということもあるかもしれない」と含みのある発言をした。
政策的な経費を除く「骨格予算」の編成は、一般的に年度替わりに近い時期に首長が交代する可能性がある際に行われる。ある県幹部は「選挙に出ないという意味ではないだろうが、つらい本音がつい漏れたのかも」と推し量る。
こうした背景もあって注目された予算案だったが、ふたを開ければ、県議会の関心は原発再稼働問題に集まった。
▽原発再稼働にウエートも論議深まらず
再稼働の是非を問う県民投票条例案の直接請求で市民団体が約14万3千筆の有効署名を集めたこと、...
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