
東京電力柏崎刈羽原発柏崎市、刈羽村にある原子力発電所で、東京電力が運営する。1号機から7号機まで七つの原子炉がある。最も古い1号機は、1985年に営業運転を始めた。総出力は世界最大級の約821万キロワット。発電された電気は主に関東方面に送られる。2012年3月に6号機が停止してから、全ての原子炉の停止状態が続いている。東電が原発を再稼働させるには、原子力規制委員会の審査を通る必要がある。7号機は2020年に、6号機は2025年に全ての審査に「合格」した。7号機は2024年6月に技術的には再稼働できる状況が整った。の再稼働東京電力福島第1原発事故を踏まえ、国は原発の新規制基準をつくり、原子力規制委員会が原発の重大事故対策などを審査する。基準に適合していれば合格証に当たる審査書を決定し、再稼働の条件が整う。法律上の根拠はないが、地元の自治体の同意も再稼働に必要とされる。新潟県、柏崎市、刈羽村は県と立地2市村が「同意」する地元の範囲だとしている。の是非を問う県民投票条例案が、16日から県議会臨時会で審議される。条例制定を直接請求するために集まった署名は14万3千筆超。2012年に同様の条例制定を求めた署名数の2倍以上に上った。その数字には、政府による再稼働への働きかけが強まる中、自らの意思を示したい県民の思いがにじむ。投票に何を託すのか。署名集めに奔走した人たちの思いを聞いた。(2回続きの1)
「知事は、署名した14万人以上の人たち、汗水流して集めた私たちとは別の方向を見ているのではないか。がっかりした」
9日。県民投票条例制定を直接請求した市民団体が県庁で開いた記者会見で、メンバーの一人、新潟市西区の主婦田中忍さん(66)が語気を強めた。この前日、花角英世知事は市民団体の示した条例案が、投票の選択肢を賛成、反対の「二者択一」としている点に慎重な意見を表明した。田中さんは知事が県民投票に否定的と受け止めた。
会見した「柏崎刈羽原発再稼働の是非を県民投票で決める会」が集めた有効署名は14万3196筆に上る。2012年に別の団体が同様の県民投票を直接請求した際の約6万8千筆の2倍超で、直接請求に必要な法定数の4倍近くに上る数だ。
多くの署名が集まった背景について...